総評
出題者から皆様へ
英語の読めない日本のマスコミ関係者:
これまでにも翻訳業の傍ら度々、しかも様々な分野で英文の誤訳に接してきましたが、この度のアメリカの大統領選挙における日本のマスコミ関係者の誤訳には辟易としています。
バラク・オバマ前大統領の著書「A Promised Land(約束の地)」の誤訳がメディアに取り上げられ話題となりましたが、それどころか毎日アメリカから送られてくる大量の大統領選挙の報道内容が正しく読めない(時には正反対の意味になる場合もある)ことがあまりにも多くあり、最近では報道内容そのものの真実性を疑わざるを得ないような気持ちになってしまいました(日本のSNSはアメリカとは違って偽情報も垂れ流し)。
レベルが低いを通り越して、民主的意識が欠けている(偽情報も表現の自由によって保護)ということです。
報道関係者の履歴を見ると、かつて特派員としてアメリカに在住していたとか、アメリカの大学や大学院へ在学、あるいは留学していたとか、さらには日本の語学系の大学を卒業していたなどの経歴が載っていますが、彼ら(彼女ら)が果たして正しく英語を理解し、そして正しく翻訳できるかどうかは大きな問題です。
何度も言いますが、音声言語の通訳と文字言語の翻訳は根本的に異なります。翻訳は両方の文字言語の「表現構造」を知った上で行う言語の科学的な変換作業です。ですから、「通訳者≠翻訳者(通訳者と翻訳者は同じではない)」ということです。
日本文化が抱える非科学的でアバウトな側面を知れば、科学的構造の英語学習に当たっても、さらには我々を取り巻く日常生活のあらゆる点においても、自分たちの考えの甘さを再認識しなければなりませんね。
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今回の解説は、次の構造と訳出法についてです。
第1段落:~, capping a lightning-fast Senate approval that handed President Trump a victory ahead of the election and promised to tip the court to the right for years to come.
講評・解説・模範訳例ページを参照してください。