総評
出題者から皆様へ
辞書(英和・和英)の選び方:
かつて翻訳学校を主宰していた当時、熱心な受講生で高等学校の非常勤講師からの質問を、今でもこの種の質問を受けるたびに思い出します。
「春になると学校に業者から色々な英語の辞書が送られてくるけど、私は選ぶことができません。どのように選ぶのでしょうか?」というものです。
要するに、英和辞書・和英辞書の選び方が分からないというものです。私は1850年代にLondonで出版された西洋美術の用語辞典を翻訳したことはありますが、一般的な英語関係の辞書を扱ったことはありませんので、そこらあたりの研究はしていません。
しかし、これは日本の英語関係者にとって最重要の問題であることは言うまでもありません。この企画の中でも度々受講生からそれに関する質問がなされますので、前後関係を飛ばして私の結論だけを述べておこうと思います。
「辞書の選択基準は、すべての英単語の構造的機能を分類し、その分類に従った訳語と訳例をどの程度載せているか」によるということです。
分かるでしょうか?構造的機能とは何か?ということになると思いますが、この用語は「でんしゃ理論(構造論・機能論)」を構築する根本的な概念です。詳細は拙著「実践から学ぶ~」に書かれているのですが、この「構造的機能」の問題は毎回このシリーズの中で述べている論理でもあるのです。
皆さんの思考法に変化が生じるようになれば、実際に少数の人には変化が出つつあるようですが、この「構造的機能」の姿が見えるようになり、結果としてbetterな辞書を選択できるようになると思います。
少々難しい話でしたが、辞書一つが頼りですから、外国語を扱う人にとってはのっぴきならない問題であるのは間違いありませんね。
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今回の解説は、次の構造と訳出法についてです。
第3段落: I have done significant reflection on what the corporate structural changes will require, and what it means for the global role I signed up for,~
講評・解説・模範訳例ページを参照してください。