総評
出題者から皆様へ
第175回の課題は「分詞」に関する問題でしたが、分詞の性質が「形容詞」であるために形容詞の用法として使用される場合と、「分詞構文」の性質から接続語法や、場合によっては副詞語句として使用される場合があるために、読者の多くに混乱が生じているようです。
それを解消するためには、当然のことながら「でんしゃ理論」による構造論と機能論をしっかりとマスターする以外にはないでしょう。
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さて、シリーズの「構造論と機能論」について考えてみましょう。
今回は、「述語の構造的機能によって生まれた目的語と補語について、目的語と補語の視点から主語との関係について」です。
主語との関係については述語の構造的機能を通して間接的に生じる現象であることが前提となります。つまり、主語と述語との間に「nexusの法則」が働き、述語と目的語・補語との間に「述語の構造的機能」が働いているために、主語と目的語・補語の関係は直接s的なものではなく間接的なつながりということになります。
この間接的なつながりの実態は何か?これが今回のポイントなのです。
結論として言えば、「A = B」という関数関係にあるというものです。この関係は第2文型だけではなく第3文型の場合でもあてはまるのです。すなわち、「目的語は実質的に意味上の主語になる(意味上の主語の理論)」ということから、主語=目的語の関係が生まれるのです(受動態に変換すれば、その構造はある意味で第2文型でもあるわけです。)。つまり、他動詞も受動態にすれば自動詞に質的変換できるのです。
以上のことから、主節とその付加的構造物から構成されている英文を次のように説明することができるのです。
動詞(またはその変化形)があれば必ずその直前に主語があり、その主語がなければ最終的に主節の主語が複数の動詞(またはその変化形)の主語を兼務する。
そして、それぞれの動詞(またはその変化形)に目的語や補語があれば、それらを生んだ動詞(またはその変化形)の主語との間に「A = B」という関数が成り立つというものです。
以上をまとめると、すべての英文を機能論的に眺めると、「nexusの法則とA = Bの関数の合体」が認められるというものです。
次回は、「目的語と補語の関係・・・不定詞形と絡めて」を上記した機能論的分析に立って話したいと思います。その後で、3文型説と5文型説について取り上げようと思います。
ご期待ください。