総評
出題者から皆様へ
今回は、「父が母を決定しているとは一体何でしょうか?」
前回、日本語と英語を構造論・機能論の視点で比較した時、日本語は母系制社会を背景にした言語であり、一方英語は父系制社会を背景とした言語であると述べました。
というのは、日本語は主語(父)と述語(母)の関係が曖昧であり、場合によっては主語(父)さえも存在しない場合があります。さらに、日本語は最後まで読まないと文意が読み取れないというのも、主語(父)よりも述語(母)重視の言語であることを証明しています。
つまり、主語(父)と述語(母)が「未分化の言語」ということができます。
ところが、英語は以上の日本語の特徴のすべて逆の現象を持っていることが分かると思います。従って、英語は主語(父)と述語(母)が明確な「既分化の言語」であるということです。
この大前提から、主語と述語の決定関係を眺めたのが今回のテーマだったのです。
以上の流れから分かるように、日本語の動詞はどの主語を受け入れるかの「受動的決定権」しかないのですが、一方英語の主語はどの動詞にするかの「能動的決定権」を持っていることになります。
では、英語の持っている「能動的決定権の決定内容は如何に?」ということになります。これについては次回に取り上げましょう。ご期待ください。