総評
出題者から皆様へ
今回は、英文における「付加的構造物とは何か」について少し考えましょう。
ここで、「付加的構造物」というのは主文の要素に対して付加する単語や語句や節のことを意味します。そのような付加機能を持ったものは、単語の機能として表すこともできますが(例えば、形容詞や副詞など)、一方付加機能そのものである不定詞や前置詞、あるい接続詞や関係詞などの「接続語ないしは接続語句」として表すこともできます。
これらの接続語で構成された語句や節を主文の「付加的構造物」と呼んでいるのですが、その名の通り機能論的に付加的な構造物ですから、構造物相互の関係は「主文の中心的要素である本動詞に従う」ということになります。
例えば、本動詞が過去形であれば、付加的構造物の動詞は基本的に構造的にも機能的にもその過去形を前提とすることになります(例えば、時制の一致の法則など)。
従って、翻訳するに当っては主文の要素を中心として、付加的構造物を「従たる地位」において訳出することになります。
そこで、すでに述べたように多様な接続語による多様な接続関係を如何に正確に訳出するかについては、「主文と付加的構造物の関係」を捉えるだけではなく、これらの接続語の機能を細かく正確に分析しなければなりません。つまり、まず大きく捉えて、次に小さく分析するという段階を踏む必要があるのです。
以上の説明をでんしゃ理論の構造論から見ると、「単一車両」の内部構造ということになります。
次回は、「文の要素である動詞の役割」について、少し触れてみましょう。
以上です。