総評
出題者から皆様へ
今回は採点・添削後の感想を述べたいと思います。
まず、相当の年月をかけて英語学習に取り組んでいるなという印象です。
しかも、それぞれの答案には翻訳力の段階があって、①高校や大学受験レベルの単語重視、語句や構文の重視という段階から、②速読・速解のためのスラッシュ方式と英文との日常的接触という段階に至るまで、大きくはこの2つに分れるでしょう。
これら2つの学習傾向は同一です。しかし、翻訳力のレベルからみると前者と後者ではアマチュア(素人)とセミプロ(玄人の手前)の差があります。ですから、日本における大半の翻訳者はこの後者の段階にあり、しかも実戦経験を豊富に積むことによって、プロ(玄人)の翻訳者ということになるでしょう。
しかし、ここで一つの問題があるのです。
先ほど①と②の学習傾向は「同一」であると言いました。つまり、日本人による翻訳は基本的に「暗記学習と豊富な実戦経験」によるものであることから、必然的に「非能率で誤訳の可能性(無論、ニュアンスの誤差は避けられない)」が生まれることになります。
この現実を根本から打開するために、理論的な英語学習法として「時事英語 翻訳コンテスト」という企画があるのです。
以上。